アルミのメスティンが焦げ付くのは、本当に手入れのせいか

最初はアルミで作った。試作の段階で、私たちも一度はアルミでメスティンを作ろうとしたことがあります。軽くて加工しやすく、コストも抑えられる。理屈の上では申し分のない素材でした。確かに、丁寧に油慣らしをすれば、焦げ付きはある程度防げます。しかし、キャンプ場で急いで火にかけたとき、目を離した数十秒で表面が黒く焦げつきました。柑橘の果汁が触れた部分だけ、白く曇ったようにくすんだこともあります。丁寧な手入れを前提にした道具は、忙しい野外ではあっけなく裏切られる。そのことを、身をもって知りました。

「油慣らし」だけでは埋まらない差

油慣らしは、アルミの表面に薄い油の膜を作り、焦げ付きをある程度防いでくれます。けれど、その膜は使うたびに少しずつ剥がれていきます。丁寧に手入れをしている人ほど、この裏切られる瞬間に出会ったとき、道具への信頼を失いやすいのではないでしょうか。

私たちがこのとき感じたのは、「手入れの丁寧さだけでは埋まらない差がある」ということでした。その差がどこから来るのか、素材そのものに目を向けて考えてみる必要がありそうです。

私たちは、琺瑯を焼き付けたメスティンを作っている工房です。

最初はアルミで作った。試作の段階で、私たちも一度はアルミでメスティンを作ろうとしたことがあります。軽くて加工しやすく、コストも抑えられる。理屈の上では申し分のない素材でした。確かに、丁寧に油慣らしをすれば、焦げ付きはある程度防げます。しかし、キャンプ場で急いで火にかけたとき、目を離した数十秒で表面が黒く焦げつきました。柑橘の果汁が触れた部分だけ、白く曇ったようにくすんだこともあります。丁寧な手入れを前提にした道具は、忙しい野外ではあっけなく裏切られる。そのことを、身をもって知りました。

「油慣らし」だけでは埋まらない差

油慣らしは、アルミの表面に薄い油の膜を作り、焦げ付きをある程度防いでくれます。けれど、その膜は使うたびに少しずつ剥がれていきます。丁寧に手入れをしている人ほど、この裏切られる瞬間に出会ったとき、道具への信頼を失いやすいのではないでしょうか。

私たちがこのとき感じたのは、「手入れの丁寧さだけでは埋まらない差がある」ということでした。その差がどこから来るのか、素材そのものに目を向けて考えてみる必要がありそうです。