また、焦げ付いた。アルミのメスティンが焦げ付くのは、手入れが悪いから。酸に弱いのは、洗い方が雑だから。そう言われることがあります。実際、キャンプ雑誌やネットの口コミにも「油をよく馴染ませてから使うこと」「酸性の食材を長時間入れないこと」といった注意書きがあふれています。
しかし、これは本当に使い手の腕の問題なのでしょうか。私たちは、琺瑯を焼き付けたメスティンを作っている工房として、この疑問に何度も向き合ってきました。結論から言うと、そうは思いません。焦げ付きやすさも酸への弱さも、使い方以前に、アルミという金属そのものに刻まれた性質だからです。原因を知らないまま手入れだけを重ねても、根本は変わらないのではないでしょうか。
多くの人が、自分の腕を疑ってしまう
キャンプ場でメスティンを使う人に話を聞くと、「自分の扱い方が悪かったのだと思っていた」という声をよく耳にします。丁寧に手入れをしてきた人ほど、うまくいかなかったときに自分の技術を疑ってしまうものです。
けれど、道具の性質そのものに原因があるとしたら、手入れをどれだけ重ねても、同じところでつまずき続けることになります。次に道具のことで悩んだときは、手入れの仕方だけでなく、素材そのものにも目を向けてみてください。
